ホスト

物理または仮想のオペレーティングシステムのインスタンス 1 つを指す単位です。Datadog のインフラ監視では、これが監視対象を数えるときの基本の単位になります。

概要

Datadog におけるホストは、物理または仮想のオペレーティングシステムのインスタンス 1 つを意味します。物理サーバーの台数ではなく、OS が立ち上がっている数で数えるため、1 台の物理機に仮想マシンが 4 つ載っていればホストは 4 つです。インフラ監視の画面で並ぶ行も、メトリクスに自動で付く <code>host</code> タグも、この単位に紐づいています。単なる呼び名ではなく利用量を数える単位でもあるため、ホストという語の定義を曖昧にしたまま見積もりを立てると、想定と実績がずれる原因になります。

数えるのは機械の台数ではなく OS の数

2026 年 8 月時点の Datadog の公式ドキュメントは、ホストを物理または仮想のオペレーティングシステムのインスタンスと定義しています。ここで押さえるべきは、境界が筐体ではなく OS にあるという点です。物理サーバー 1 台の上で仮想マシンを 4 つ動かせばホストは 4 つになり、逆に大きな 1 台に集約して OS を 1 つにすればホストは 1 つです。

図: 同じ計算資源でもホストの数え方が変わる例
  • 物理サーバー 1 台に OS 1 つ: ホスト 1
  • 物理サーバー 1 台に仮想マシン 4 つ: ホスト 4
  • クラウドの仮想マシン 10 台: ホスト 10
  • 1 つの OS の上でコンテナを 20 個動かす: ホストは 1、コンテナは別枠で数えられる

この定義があるおかげで、オンプレミスとクラウドが混ざった環境でも数え方を揃えられます。反面、仮想化の階層を増やすほど数が増える方向に働くため、構成の選択が監視の側の数え方にも影響します。

1 時間ごとに数え、上位 1% の跳ねだけを落とす

利用量の集計は月末に一度ではなく、時間ごとに行われます。2026 年 8 月時点の公式ドキュメントは、Datadog が毎時、インフラ監視で監視している一意なホストの数を記録すると説明しています。月ごとの数え方には 2 つの方式があり、高水準点方式では、その月の各時間の値のうち下位 99% における最大値が採用されます。上位 1% の時間帯は切り落とされる仕組みです。もう 1 つの方式では、月額の最低確約分に加えて、それを超えたホスト時間が時間単位で加算されます。 この数え方は誤解されやすい部分です。平均が採用されるわけではないので、月の大半が 10 ホストで、数十時間だけ 40 ホストに膨らむ構成は、10 に近い値ではなく 40 に近い値で数えられます。逆に、切り落とされる枠が上位 1% しかないという点も重要です。1 か月を約 720 時間として、落とせるのはおおよそ 7 時間分にとどまります。日次のバッチで毎晩ホストを立てる運用は、この枠には収まりません。

コンテナと Fargate はホストの外側で数えられる

設計判断として効いてくるのは、ホストだけを見ていると全体像を取り違えるという点です。2026 年 8 月時点の公式ドキュメントによると、コンテナは 5 分ごとに数えられ、監視されたコンテナの時間に応じて月ごとに集計されます。Fargate のタスクも同じく 5 分間隔で計測され、動作して監視されていた時間の合計で集計されます。いずれもホストの数え方とは別の系統です。 つまり、仮想マシンの台数を減らしてコンテナの密度を上げる構成変更は、ホストの数だけを見れば縮小に見えますが、コンテナ側の集計は逆に増えます。監視の利用量を見積もるときは、ホスト・コンテナ・サーバーレスの 3 つを別々に数え、どこに寄せると全体が軽くなるのかを構成ごとに確かめるのが実務的な進め方です。片方だけを最適化して見積もりが外れるのは、この分離を知らないまま構成を変えたときに起きます。

ホストは予約されたタグのキーでもある

ホストという語は、監視対象の単位を指すだけでなく、Datadog のタグの世界でも特別な位置を占めます。公式ドキュメントの一覧では host が予約されたタグのキーとして挙げられており、自分の都合で別の意味に使うと製品側の紐付けが働かなくなります。 さらに、ホスト名に紐づけたタグは、そのホストから送られてくるテレメトリへ引き継がれます。役割や所属チームをホストの側で 1 度設定すれば、そのホストが出すメトリクスやログにも同じ目印が乗るということです。個々の送信元にタグを書き足す作業を省けるので、タグ設計の起点をホストに置くのは筋が通っています。ホストという単位が、数える対象と目印を貼る対象の両方を兼ねていることは覚えておく価値があります。

いつ気にするか、そして誤解されやすい点

ホストの定義を真面目に確認するのは、監視の利用量を見積もるときと、構成を大きく変えるときです。日々の障害対応では、ホストは画面に並ぶ行の名前として扱えば足りますが、見積もりの場面では定義のずれがそのまま数字のずれになります。 誤解として目立つのは 3 つです。第一に、ホストを物理サーバーの台数だと考えること。定義は OS のインスタンスなので、仮想化した分だけ数は増えます。第二に、月の平均で数えられると考えること。高水準点方式では下位 99% の最大値が採られるため、短時間の急増でも上振れが残ります。第三に、コンテナ化すればホストの数え方の中で吸収されると考えること。コンテナと Fargate は別の系統で集計されます。 数え方の一次情報は Datadog の公式ドキュメント Pricing にあります。ここで触れた集計方式は 2026 年 8 月時点の記述に基づくもので、契約の形態によって適用される方式が異なります。ホストを起点に何が見えるようになるかは、解説「インフラ監視」にまとめています。

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