セッション (RUM)
セッション (RUM) とは、Datadog の RUM が 1 人の利用者の連続した操作を 1 つの ID で束ねる記録の単位のこと。無操作が 15 分続くか活動が 4 時間に達すると終わり、次の操作で新しいセッションが始まる。RUM の課金もこの単位で数える。
概要
セッションは、RUM のデータの頂点にある記録の単位で、下位のイベントを 1 つの session.id で束ねます。始まりは利用者が閲覧を開始した時点、終わりは無操作 15 分か活動 4 時間のどちらか早い方で、以降の操作は別のセッションとして数えられます。気にするのは、RUM の請求がセッション数で決まるため、数の増減を設計したいときです。サンプリング率の既定値、Synthetics 由来を課金から除く規則、Session Replay の率が別に掛かる構造を知っていれば、想定外の請求とデータ不足の両方を避けられます。
セッションは操作の途切れで区切られる利用の束
セッション (Session) とは、RUM が 1 人の利用者の連続した操作を 1 つにまとめる記録の単位です。公式ドキュメントの定義では、利用者が Web アプリケーションの閲覧を始めた時点でセッションが始まります。その間に集めた RUM イベントは一意の session.id で束ねられます (2026 年 9 月時点・出典: RUM Browser Data Collected)。ページを何枚見ても、ボタンを何回押しても、操作が途切れずに続く限り同じ 1 セッションです。
いつ始まり、いつ終わるのか
終わりは 2 つの条件で決まります。無操作が 15 分続いたとき、または活動が 4 時間に達したときです (2026 年 9 月時点・出典: RUM Browser Data Collected)。セッションが有効かどうかは session.is_active 属性で分かり、次に操作があれば新しい session.id で次のセッションが始まります。タブを開いたまま席を離れれば 15 分で最初のセッションが閉じ、戻って操作すれば次のセッションが数えられます。逆に休みなく使い続けても 4 時間で区切られるため、1 日中開いたままの業務画面は 1 セッションでは済みません。
- 利用者が閲覧を始める = セッション開始 (
session.idを発行) - ページ遷移や操作が続く間は同じセッションに束ねられる
- 無操作 15 分、または活動 4 時間で終了
- 次の操作で新しい
session.idのセッションが始まる
1 人が 1 日に生むセッション数は、滞在時間ではなく操作の途切れ方で決まります。
セッションの下に何がぶら下がるか - 種別ごとの保持日数
下にぶら下がるイベントは種別が分かれ、種別ごとに保持日数が違います (2026 年 9 月時点・出典: RUM Browser Data Collected)。
| 種別 | 何を 1 件とするか | 保持 |
|---|---|---|
| Session | 利用者 1 人の連続した操作の束。ブラウザー / デバイス / 位置の概要を持つ | 30 日 |
| View | ページを 1 回表示するごとに 1 件。同じページにいる間の下位イベントは view.id で結ばれる | 30 日 |
| Action | クリックなどの操作 1 回。カスタムアクションを手動で送ることもできる | 30 日 |
| Error | ブラウザーが出したフロントエンドのエラー 1 件 | 30 日 |
| Resource | 画像 / XHR / Fetch / CSS / JS の読み込み 1 件 | 15 日 |
| Long Task | メインスレッドを 50 ms を超えてふさいだ処理 1 件 | 15 日 |
セッションには session.view.count や session.error.count のように下位イベントの件数を集計した属性が付くので、「エラーを 3 件以上出したセッション」という条件で探せます。Resource と Long Task が先に消えるため、読み込みの細部まで追う調査は 15 日以内に済ませる必要があります。保持の考え方は保持期間の項へ。なお、ここでの「イベント」はイベント管理のイベントとは別の語です。
サンプリング率は 2 段構え
残す割合は 2 つの率で決めます。sessionSampleRate は全セッションのうち RUM として追跡する割合で、既定は 100 です。sessionReplaySampleRate はその追跡分のうち Session Replay の録画まで行う割合で、前者を通った後に掛かります。既定は Browser SDK v5.0.0 以降が 0、それより前の版が 100 です (2026 年 9 月時点・出典: Browser RUM & Session Replay Sampling)。後者は前者に対する百分率なので、50 と 50 なら全体の 25% が録画付きになります。Session Replay の率だけを下げても RUM のセッション数は減らず、減らしたいなら sessionSampleRate を触ります。絞るのは送る前という点で、APM の取り込み制御と同型です。
課金で数えるのはどのセッションか
課金の単位もセッションで、単価は 1,000 セッションあたりです。2026 年 8 月時点の公式料金ページでは、全トラフィックを数える RUM Measure と、フィルター後のセッションだけを数える RUM Investigate の 2 層です (出典: Datadog Pricing)。単価と層の設計は RUM の解説へ。課金から除かれるのは session.type が synthetics のセッションです (2026 年 9 月時点・出典: RUM Browser Data Collected)。Synthetic Monitoring のブラウザテストが生んだ分は数に入りません。Session Replay を RUM と Product Analytics の両方で使っても、録画分の課金は 1 回です (2026 年 8 月時点・出典: Datadog Pricing)。本記事は課金の仕組みを解説するものです。具体的な単価や料金は Datadog 公式の料金ページで確認してください。
想定の 3 倍という請求が来たら
セッション数が見積もりを大きく超えたとき、疑う順番は決まっています。1 つ目は、15 分の失効で 1 人の利用者が複数のセッションに分かれていないか。2 つ目は、ボットや監視ツールのアクセスがセッションを生んでいないか。3 つ目は、sessionSampleRate が既定の 100 のままになっていないかです。逆にデータが足りないときは、2 つの率を下げすぎていないかを見ます。請求とデータ量は、この 2 つの率で釣り合わせます。